成人を迎えて、間もなかった3年前の夜...私は突然、自分を失った。正確にいうと記憶を失った。
それが、私にしか作れない歌詞とメロディが産まれたきっかけだった。
ファンの皆様に、日頃の感謝の気持ちを込めて〜本日の記事は下記のリンクから【無料】で楽しめます🎁
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### 記憶の空白を越えて ~ウィッグを捨てた夜、私の最初で最後の栄光~
成人を迎えて、間もなかった3年前の夜...私は突然、自分を失った。正確にいうと記憶を失った。
都会の街角にある、小さなお店で、キャバ嬢として働いていた私は、いつも「淑やかな私」でいた。 柔らかな微笑みを浮かべ、凛と姿勢を正し、長いカールのウィッグを優雅に揺らしながら、静かなクラシック音楽の流れる小さな店内で、お客様に穏やかで上品な接客を心がけていた。
誰からも「落ち着いていて、細やかな気遣いのできる、優しいお姉さん」と慕われる、そんな存在だった。
なのに、あの夜——。
翌朝、目が覚めた瞬間、世界が音を失った。
記憶の大部分が真っ白で、頭の中が真っ暗な霧に包まれていた。
周囲の人たちから次々と告げられた自分の行動に、私は息が止まるほど凍りついた。
「お客様の膝の上に自分から座り、自分からキスしてた」 「ボクがさ〜!」「ボクがね!」って、男言葉全開でペラペラと喋りまくっていたらしい。
信じられなかった。
お淑やかな女の子である私が、急にそんな大胆で過激な行動を取るなんて。
罪悪感が波のように押し寄せ、胸が激しく締めつけられた。
吐き気がするほど恥ずかしくて、申し訳なくて、死にたくなるような自己嫌悪に襲われた。
でも、その夜の私は、強いストレスと疲労の極限で、心が完全に限界を超えていた。
「厳格なルールに従い、品格のある接客」が求められる、歴史のある小規模店では、常に完璧な笑顔と心遣いを求められる。 毎日少しずつ心を削られ続け、ある瞬間、心が「もう無理だ」と、静かに、でも確かに叫んだ。
その叫びが、記憶の空白と「もう一人の私」を呼び覚ました。
体が自分のものじゃないような、奇妙な離人感。 脳を横殴りされたような激しいクラクラ。
そして突然、抑えていた何かが爆発した。
私は長いカールのウィッグを乱暴に引き剥がし、 床に叩きつけるように捨てた。
その下から現れたショートヘアを荒々しくかき上げながら——
「ボクがさ!」と、まるで別人のように声を張り上げ、お客様の前でボクっ子全開の過激モードに変わっていた。
淑やかな仮面が剥がれ落ち、
本当の疲れと叫びを、酒の力も借りて、思い切り吐き出した瞬間だった。
後でその一部始終を聞かされたときは、激しい自己嫌悪に襲われた。
店の雰囲気を乱し、周りに迷惑をかけた事実が、重い鎖のように私を縛りつけた。
でも、不思議なことに——本当に複雑な気持ちでいっぱいだけど——
あの夜の失態は、思いがけない結果を生んだ。
ごく一部の「ボクっ子好き」「ショタ(幼い少年)好き」のお客様に強く刺さり、 あの夜の売上は、驚くほど爆上がりした。 その日、私はキャバ嬢としての最初で最後の売上一位を取った。
酒で記憶を飛ばし、お淑やかな仮面をかなぐり捨てて現れたもう一人の自分が、
結果として人気を呼んでしまった。
死にたくなるほどに、自分が情けなくて、申し訳なくて、でもどこかおかしくて。 「結果オーライでいいのかな……」と、今でも胸の内で激しく葛藤が渦巻く。
それでも、私は自分を全部否定しないことにした。
あの夜の私は、ただ苦しんでいただけ。
心が「助けて」と必死にSOSを発した結果、防衛反応のようにコントロールが切れ、
抑え込んできた「もう一人の私」が飛び出してしまったんだ。
長いウィッグを捨て、ショートヘアをあらわにした瞬間は、 ただの失態じゃなかった。
常に周りに気を遣い、お淑やかで真面目な私が、自分を追い込みすぎて壊れそうになったとき、心が自分を守るために出した、痛いほど切実なメッセージだった。
記憶の空白は、弱さの証ではなく、
「もう少し優しく自分を扱って」という、自分自身へのSOSだったのかもしれない。
今も躁鬱病と記憶障害は完治していない。
それでも、私はここにいる。
あの夜に失った記憶も、激しい自己嫌悪も、
ウィッグを捨てて現れたもう一人の私も、
キャバ嬢としての最初で最後の売上一位という、複雑な栄光も、全部抱きしめて。
それを音楽に変えることができるのは、私だからこそ。
同じように心が限界を迎え、
「もう一人の自分」が出てきてしまった人へ。
記憶の空白に怯えながら生きている人へ。
あなたは一人じゃない。
淑やかな仮面の下で疲れ果てた夜も、
ウィッグを捨てて叫んだ夜も、
全部ひっくるめて、あなたはあなたなんだよ。
あれから3年が経ち、23歳になった私は、子供時代に大好きだった歌を、また歌うようになった。これからも、楽しく、強く、笑顔で歌い続ける。
過去の痛みは、私を壊したんじゃない。
私にしか作れない歌詞を、私にしか作れないメロディを、ギフトとしてくれたんだ。